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eMAXIS Slim 全世界株式 について
全世界の株式に投資
「eMAXIS Slim 全世界株式 (オールカントリー)」という投資信託について相談を受けましたので取り上げたいと思います。
どんな投資信託かというと、商品名の通り、「全世界の株式に投資する」投資信託です。
最大の特徴は「ローコスト」ということです。信託報酬が年0.1144%と格安です。
投資信託についてブログを書いている方たちによる人気投票で、2019年から3年連続で1位を獲得しています。
こだわりのある投資家たちに支持されているということです。
その中身は?
米国が約6割、米国以外の先進国(日本、英国、カナダ・・)が約3割、新興国(中国、台湾、インド・・・)が約1割です。
なぜ、このような割合になっているかというと、この商品はある株価指数に連動することを目指していて、その指数の構成がそのようになっているからです。
その株価指数とは、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスです。
MSCIという会社が開発した、先進国から新興国まで世界の株式で構成され、投資可能な株式の約85%をカバーしている株価指数です。
日本でいう「日経平均株価」の世界版のようなものです。(正確には時価総額加重平均型のTOPIXのほうに近いですが。)
何がいいのか
① 究極の分散投資
株式投資をする際に、100万円を1株だけに投資するよりも、10種類の株に10万円づつ投資するほうが、分散した投資になります。
会社は時に倒産して、株式の価値がなくなることもありますが、分散することにより、このような倒産や業績悪化による株式値下がりのリスクを軽減できます。
世界の株式の約85%をカバーするわけですから、究極の分散投資になります。
② 損をしないのか
世界中の株式に投資したら損をしないでしょうか。もちろん、損をすることもあります。
世界経済はかなり連動していて、米国が調子悪いと日本もヨーロッパも調子が悪くなり、先進国の景気が悪くなると新興国の景気も悪くなったりします。
世界経済全体が不調になれば、世界全体に分散投資していても損をすることは避けられません。
ここで救いになるのが、世界株式に投資して自分が損をしているときは、世界中の人が損をしているということです。
「自分だけではない」と思えば、少しは気が楽になるのではないでしょうか。
また、世界経済は今後も数十年にわたって成長を続けることが予想されています(IMF,世界銀行)。
世界経済の成長に伴って、世界の株式全体も上がり下がりしながらも成長することが期待できます。
個別株が下がった場合、最悪倒産により価値が無くなる可能性もありますが、全世界の株式に投資していればそれはありません。
5年から10年の長期で保有した場合には、元本割れのリスクはかなり低くなります。
③ ローコスト
同じ株価指数に連動する投資信託の成績は基本的には同じようになります。
成績が同じであれば、コストが低いほど有利ということになります。
そして、上記の商品は最もローコストだということで人気を得ています。
「eMAXIS Slim 全世界株式 (オールカントリー)」は人気の商品ですので、多くの方が詳細な分析や説明をされています。
ご興味のある方は、調べてみてください。
以上、簡単にファンドの紹介をしました。
(投資をするのもしないのも個人の自由です。投資は自己責任でお願いします。)
NISAの使い勝手、デメリット、上手な利用法
NISAについてのご相談
資産運用に関するご相談のお客様から、NISAについて教えてほしいとの
ご相談があり、ひととおり説明しました。
この機会に私自身がNISAの使い勝手などについて感じていることを書きます。
NISAとは
NISA(にーさ)とは、株式や投資信託に税金がかからない口座のことです。
NISA以外の口座で、株式を売却したり、配当を受け取ると、売却益や配当に
20%の税金がかかります。
NISA口座では、この20%の税金がかからないのです。
NISA口座には3種類あり、一般NISA,つみたてNISA,ジュニアNISAで
それぞれ、購入できる金融商品の種類、一年間の利用可能額や非課税期間が異なります。
制度内容について詳しくは、以下のサイトをご覧ください。
デメリットもある
売買益や配当に税金がかからないと聞くと、良いことばかりのようにも
思われますが、実際に使ってみると、良いことばかりではありません。
1 購入した銘柄を売却しても非課税枠は復活しない。
これは、私が一番不便だと思っている点です。
一般NISAでは年間120万円まで、株式や投資信託を購入することが出来ます。
ある年に、ABC投資信託を120万円NISA口座で購入したとします。
ところが、その後色々調べてみると、ABC投資信託よりも、DEF投資信託
のほうが良いように思い、ABC投資信託を全て売却し、DEF投資信託をNISA
口座で購入しようと思います。
しかし、ABC投資信託を購入したことで、その年のNISA非課税枠を使い切った
ことになり、たとえABC投資信託を売却しても、非課税枠は復活しないのです。
その年に、ABC投資信託をやめて、DEF投資信託にしたい場合は、非課税口座利用を
あきらめるしかないのです。
2 NISA口座で損失を出しても損益通算ができない
NISA口座以外の口座では、A株式の売買で20万円の利益が出て、B株式の売買で10万円
の損失が出た場合、利益と損失を通算して純利益分だけの税金を払えば良いことになっています。
+20万円 -10万円 = +10万円
税金は10万円の20%で税金は2万円払えば良いことになります。
ところが、NISA口座以外の口座でA株式の売買で20万円の利益が出て、NISA口座でB株式の売買
で10万円の損失が出た場合、「NISA口座内の損失は無いものと扱われる」ため、
A株の売却益20万円に対して20%の税金が課され、4万円の税金を払わなければなりません。
3 NISA口座の存在が投資判断を歪める
上記のようなNISA口座のデメリットを回避するための行動は
現状維持になりがちです。
上記の例であまり魅力的と思えなくなったABC投資信託ですが、
「せっかく貴重な非課税枠で購入したのだから売却しないで保有しよう。」
と、売却判断の先送りになるかもしれません。
また、新たに魅力を発見したDEF投資信託ですが、
「今年のNISA枠は使ってしまったから、来年のNISA枠で購入しよう」
というように、購入判断の先送りになりかねません。
上記のような、現状維持的判断が最終的に利益になるか不利益になるかは
状況次第ですのでわかりません。
しかし、投資家のABC投資信託よりもDEF投資信託が良さそうだという
前提に基づく、投資行動を歪めていることは確かです。
NISA口座利用の注意点
上記のようなデメリットを理解して利用することが重要です。
以下の点に留意すると良いと思います。
1 NISA口座で購入する金融商品は長く保有できると想定できるものにする。
2 NISA口座は儲かったときだけメリットがある。
3 NISA口座に固執して損をしそうな銘柄を保有すべきではない。
NISA口座とインデックスファンド
NISA口座はインデックスファンドと相性が良いように思います。
インデックスファンドであれば、同一の指標を対象にしていれば、期待するパフォーマンスは
同じでコストが違うだけということになります。
一度決めれば銘柄を変更する必要性は少ないです。
個別株式やアクティブファンドのように「AよりもBが魅力的に見えるようになる」ことは
考えにくいので、銘柄入替の動機が乏しいと思われます。
WealthNaviとNISA
私は、現在はWealthNaviでNisaを利用しています。
WealthNaviは米国ETFを利用して、世界の株式や債券などに自動で分散投資する
「ロボアドバイザー」という金融商品です。
私は通常の証券会社ではアクティブファンドをNisaで購入して、気が変わり売却し、
その年の枠を無駄にするというように、Nisa枠をまったくうまく利用できていませんでした。
WealthNaviでNisaが利用できるようになったときに、Nisaの利用を開始しました。
WealthNaviではNisaに入れる銘柄も自動で決まりますので、自分で判断する必要がありません。
そのため、WealthNaviでは非課税枠を生かした利用が出来ています。
皆様のNisa利用の際の参考になれば幸いです。
(投資をするのもしないのも個人の自由です。投資は自己責任でお願いします。)