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2022-07-20 16:26:00

NISAの使い勝手、デメリット、上手な利用法

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NISAについてのご相談

 

資産運用に関するご相談のお客様から、NISAについて教えてほしいとの

ご相談があり、ひととおり説明しました。

この機会に私自身がNISAの使い勝手などについて感じていることを書きます。

 

NISAとは

 

NISA(にーさ)とは、株式や投資信託に税金がかからない口座のことです。

NISA以外の口座で、株式を売却したり、配当を受け取ると、売却益や配当に

20%の税金がかかります。

NISA口座では、この20%の税金がかからないのです。

NISA口座には3種類あり、一般NISA,つみたてNISA,ジュニアNISAで

それぞれ、購入できる金融商品の種類、一年間の利用可能額や非課税期間が異なります。

制度内容について詳しくは、以下のサイトをご覧ください。

 

金融庁NISA特設ウェブサイト

 

デメリットもある

 

売買益や配当に税金がかからないと聞くと、良いことばかりのようにも

思われますが、実際に使ってみると、良いことばかりではありません。

 

1 購入した銘柄を売却しても非課税枠は復活しない。

 

これは、私が一番不便だと思っている点です。

一般NISAでは年間120万円まで、株式や投資信託を購入することが出来ます。

ある年に、ABC投資信託を120万円NISA口座で購入したとします。

ところが、その後色々調べてみると、ABC投資信託よりも、DEF投資信託

のほうが良いように思い、ABC投資信託を全て売却し、DEF投資信託をNISA

口座で購入しようと思います。

しかし、ABC投資信託を購入したことで、その年のNISA非課税枠を使い切った

ことになり、たとえABC投資信託を売却しても、非課税枠は復活しないのです。

その年に、ABC投資信託をやめて、DEF投資信託にしたい場合は、非課税口座利用を

あきらめるしかないのです。

 

2 NISA口座で損失を出しても損益通算ができない

 

NISA口座以外の口座では、A株式の売買で20万円の利益が出て、B株式の売買で10万円

の損失が出た場合、利益と損失を通算して純利益分だけの税金を払えば良いことになっています。

+20万円 -10万円 = +10万円 

税金は10万円の20%で税金は2万円払えば良いことになります。

ところが、NISA口座以外の口座でA株式の売買で20万円の利益が出て、NISA口座でB株式の売買

で10万円の損失が出た場合、「NISA口座内の損失は無いものと扱われる」ため、

A株の売却益20万円に対して20%の税金が課され、4万円の税金を払わなければなりません。

 

3 NISA口座の存在が投資判断を歪める

 

上記のようなNISA口座のデメリットを回避するための行動は

現状維持になりがちです。

上記の例であまり魅力的と思えなくなったABC投資信託ですが、

「せっかく貴重な非課税枠で購入したのだから売却しないで保有しよう。」

と、売却判断の先送りになるかもしれません。

また、新たに魅力を発見したDEF投資信託ですが、

「今年のNISA枠は使ってしまったから、来年のNISA枠で購入しよう」

というように、購入判断の先送りになりかねません。

上記のような、現状維持的判断が最終的に利益になるか不利益になるかは

状況次第ですのでわかりません。

しかし、投資家のABC投資信託よりもDEF投資信託が良さそうだという

前提に基づく、投資行動を歪めていることは確かです。

 

NISA口座利用の注意点

 

上記のようなデメリットを理解して利用することが重要です。

以下の点に留意すると良いと思います。

1 NISA口座で購入する金融商品は長く保有できると想定できるものにする。

2 NISA口座は儲かったときだけメリットがある。

3 NISA口座に固執して損をしそうな銘柄を保有すべきではない。

 

NISA口座とインデックスファンド

 

NISA口座はインデックスファンドと相性が良いように思います。

インデックスファンドであれば、同一の指標を対象にしていれば、期待するパフォーマンスは

同じでコストが違うだけということになります。

一度決めれば銘柄を変更する必要性は少ないです。

個別株式やアクティブファンドのように「AよりもBが魅力的に見えるようになる」ことは

考えにくいので、銘柄入替の動機が乏しいと思われます。

 

WealthNaviとNISA

 

私は、現在はWealthNaviでNisaを利用しています。

WealthNaviは米国ETFを利用して、世界の株式や債券などに自動で分散投資する

「ロボアドバイザー」という金融商品です。

私は通常の証券会社ではアクティブファンドをNisaで購入して、気が変わり売却し、

その年の枠を無駄にするというように、Nisa枠をまったくうまく利用できていませんでした。

WealthNaviでNisaが利用できるようになったときに、Nisaの利用を開始しました。

WealthNaviではNisaに入れる銘柄も自動で決まりますので、自分で判断する必要がありません。

そのため、WealthNaviでは非課税枠を生かした利用が出来ています。

 

皆様のNisa利用の際の参考になれば幸いです。

(投資をするのもしないのも個人の自由です。投資は自己責任でお願いします。)