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保険の見直しのポイント
保険の見直しの目的
これまでのお付き合いなどで、目的が同じ保険に複数加入している方もいらっしゃると思います。
保険料が無駄になっていないか、保険金額が足りないのではないか、ということが気になる方は
加入している保険を整理して見直すことで家計支出の削減や保障の追加による安心が得られるかもしれません。
当事務所のお客様でも、保険の重複契約を整理して、保険料を相当に削減できた方もいらっしゃいます。
ここでは、保険の見直しのポイントを説明します。
保険についての考え方は人それぞれ
保険については、その人の価値観や考え方次第で、加入の要否や保険金額の設定は変わると思います。
ある家族について、この組み合わせが絶対に正しいということは無いと思います。
例えば、遺族の生活保障を目的に生命保険を考えるときに、
残された遺族が現状とまったく同レベルの生活をすることを前提とするのか、
多少なりとも節約した生活をすること前提とするのかで保険金額は異なると思います。
例えば、遺族に一切苦労を掛けたくないから十分な保障を残したいという考えはわかりますが、
保障を充実させれば、その分保険料が高額になり、現在の家計を圧迫することになりかねません。
万が一の時は遺族に多少の節約を求めるけれども、現状の家計を圧迫しないように、
程々の保障に留めるという考えもあると思います。
私自身は、あるかどうかわからないイベント(誰かの死)のために、
現状の家計を圧迫するような選択をすべきではないという考えです。
以下の説明も、私自身の上記の価値観の影響を受けていることを前提に読んでいただければと思います。
保険の種類
保険の種類には、大きく分けて、①生命保険、②損害保険、③医療保険などがあります。
保険の見直しというと、主に①生命保険と③医療保険を対象にしますので、順に説明します。
また、生命保険も3種類に分けて説明します。
・ 終身生命保険 生涯一定金額を保障 例 生涯300万円を保障
・ 定期生命保険 一定期間(10年間など)一定金額を保障 例 35歳から55歳まで1000万円を保障
・ 収入保障保険 一定期間、月額を保障 例 35歳から55歳まで月額15万円を保障
終身生命保険
被保険者が死亡するまで、一生涯保障が続く生命保険です。
人はいつかは死ぬので、生命保険会社からみれば一定金額を必ず支払はなければなりません。
そのため、保険金額が同じであれば、保険料は定期保険などよりも割高になります。
主として、葬儀費用とお墓の費用に備えるために加入するといわれています。
したがって、既にお墓はもっている、自分の葬式は家族だけで簡素に行えばよい、という方は、
簡素な葬儀の費用分の貯金があれば、加入する必要の無い保険になります。
自分の死後にかかる費用がどれくらいか、そのうち貯金でどれくらい賄えるかを考えて、検討するとよいです。
定期保険
定期保険は、被保険者が40歳から50歳までの10年間、1000万円を保障するというように、
一定の期間に限定して死亡した場合に一定金額を支払う保険です。
年齢が低いときは、統計的に死亡する確率は低く、保険会社が保険金の支払いをしないで契約が終了する可能性も多くあります。
そのため、保険金額が同じであれば、保険料は終身保険よりも定期保険のほうが割安になります。
また、年代が上がるに連れて、死亡確率が高まる分、保険料も上がっていきます。
定期保険は子供の学費に備える目的で利用することが多いと思います。
子供の学費のうち、高等学校までは毎月の家計から支払われることが多いので、
まとまった支出がある大学の学費に備えて加入するという使い方があります。
加入例として以下の方法を紹介します。
加入期間は対象としている子供が4年生大学を卒業する22歳までの期間とします。
保険金額は大学の学費相当額としますが、公立か私立かで大きくかわりますので、未定の場合は
中間点をとって、子供1名について1000万円程度としておくのも一案です。
収入保障保険
収入保障保険は、一定の期間、月額として一定額を支払うことを保障する保険です。
たとえば、世帯主が35歳の時に加入するとして、世帯主が65歳になるまで、月額15万円の支払いを保障する
といった加入の仕方です。
保険契約者が年齢を重ねるほど、支払われる保険料の総額は減少していきますので、保険会社からみると保険金額
支払いの負担が定期保険よりも少なく、その分保険料も割安になっています。
遺族の生活保障を目的として加入するのに、最適な保険だと思います。
加入例を説明します。
保険期間は、被保険者の配偶者が年金受給年齢である65歳までとします。
保険金額は月額で設定します。
被保険者が死亡後の生活費月額から、遺族の収入予定を差し引いて計算します。
被保険者死亡後の生活費は通常少なくなります。(例えば、80%とします。)
遺族の収入予定としては、勤労収入、遺族年金などが考えられます。
被保険者が会社員の場合には、遺族厚生年金がありますので、
被保険者が自営業の場合よりも遺族の収入が大きくなることが多いと思います。
例えば、被保険者死亡後の生活費が月額30万円、遺族の収入予定が月額15万円の場合、
30万円 - 15万円 = 15万円 月額15万円の収入保障保険に加入すれば良い
ということになります。
生命保険の検討に役立つサイトを紹介します。
https://www.orixlife.co.jp/guide/lifeplan/
上記の説明がグラフなどで表示されて参考になると思います。
医療保険
医療保険の主要な給付は、入院日数に応じて、入院1日について、
5000円の給付からという商品が多いと思います。
入院給付は一回の入院についての限度が60日となっていることが多いので、
一回で2か月入院した時に、5000円×60日=30万円の保険金が支払われる
ということになります。
仮に、大きな入院が3回あって30万円の給付を3回受けると、合計で90万円の保険金を
受け取ったということになります。
医療保険は年齢が高くなるほど、保険料が上がります。
終身払いを前提とすると加入時から平均余命(仮に90歳迄と単純化します)までの支払総額は、同年代であれば大体同じになります。
保険比較サイトで試算すると
30代~40代で 約105万円前後
50代~60代 約150万円程度 のようです。
すると、生涯で保険料を100万円~150万円くらい払って、入院日数が多ければ、支払った保険料程度
の保険金を受け取れるというイメージです。
日本の国民健康保険は、自己負担限度額の制度など、患者の経済的な負担が少なくなる制度が充実していると思います。
それらの制度を理解した上で、必要な場合に加入されればよいと思います。
合理的に考えると、医療費目的の預金が100万円あれば、加入の必要は無いかなと思っています。
但し、ガンで先進医療を受けるような限定的なケースを考えると、安心のために一定のコストを払うことも理解できます。
私自身、県民共済の医療共済に加入しており、未だに解約するには至っていませんので、
合理性だけでは割り切れないのかもしれません。
保険の見直しのポイントを説明しました。
主観的な価値観が入っているところを割り引いて読んでいただければと思います。
少しでも、参考になれば幸いです。